「今は大丈夫だけれど、この先が心配だから」
そんな言葉を聞くたびに、私はどこか心がざわつくことがあります。
もちろん、心配してくれる気持ちはありがたいものです。
でも、その言葉の奥には、
「失敗しないように」
「傷つかないように」
「困らないように」
という願いが込められているようにも感じます。
けれど本当に大切なのは、
“失敗しないこと”なのでしょうか。
私は最近、
「失敗しないこと」よりも、
「失敗しても立ち上がれる力」を育てていきたいと思うようになりました。
息子の発達検査を受けた際、専門家からこんな言葉をいただきました。
「今は問題なく過ごせていても、成長とともに周囲との違いが目立ち、生きづらさにつながるかもしれません」
未来を見据えた大切な視点なのだと思います。
けれど、その言葉を受け取ったとき、私の中には小さな違和感が残りました。
まだ起きていない未来を先回りして不安になることが、本当に今のこの子の力を育てることにつながるのだろうか。
そんな問いが生まれたのです。
もちろん備えることは大切です。
でも、不安ばかりに目を向けていると、
「今できていること」
「今楽しめていること」
「今感じられている喜び」
を見失ってしまうこともあります。
私は今、
「今この瞬間を、できた喜びで満たしたい」
そう思っています。
できなかったことではなく、できたことに目を向ける。
未来への不安ではなく、今ここにある成長を信頼する。
その積み重ねが、子どもの自己肯定感を育み、親である私自身の心も支えてくれるのだと感じています。
医師から告げられた診断名は、軽度知的障害と自閉スペクトラム症(ASD)でした。
正直に言えば、最初は戸惑いもありました。
けれど今は、その診断を「ラベル」としてではなく、
息子を理解するための大切なヒントとして受け止めています。
そして何より、息子が教えてくれた言葉があります。
「失敗はスタート」
この言葉は、私の心を何度も支えてくれました。
失敗は終わりではなく、新しい一歩の始まり。
そう考えられるようになると、人生は少しずつ優しくなっていくのかもしれません。
不安より信頼を。
守ることだけではなく、育てるまなざしを。
そして、自分自身の感覚や違和感を大切にしながら、今日も一歩ずつ進んでいきたいと思っています。
もし今、未来への不安で心がいっぱいになっているなら、
どうか「今できていること」に目を向けてみてください。
きっとそこには、すでにたくさんの成長の種があるはずです。

